+++ 「理波ちゃんが滝篠くんの家にいるのかっ?」 「いる。わざわざ俺に《絶対に来るな》って書置きは、正直俺が行きたくない場所ってことだよ。 そんなの、壱星んとこしかねえ。しかも仮にも壱星は――」 「理波ちゃんの彼氏だもんな。不思議はない。――だからそこで凹むなヘタレ!」 刹那の言葉に一瞬だけ傷ついて立ち止まり、復活した。 「で? 原因は何なんだよ?」 「……うちの両親のことだ」 その言葉に刹那の空気が張りつめた。