「怒ることが、特別なのか?」 俺は怒らないわけではないし、怒れないわけでもない。 達観もしていないし、低く見ることもない、と自分では分析してみた。 今。 俺は単に、怒る理由がなかっただけじゃないかと。 「特別だよ。怒ることはね、本当はすごく辛いことだよ。嫌われる可能性があっても、言わなくちゃならないって、思うこと。 ……まあ、生来的にそういうことは考えもせずに怒ってばかりの人もいるけどね」 莉音は……涙、していた。