わかっているわ刹那。
頭がカラカラで目がぐるぐるで結構いっぱいいっぱいなんだよ。
この言葉吐くの。
「じゃあ俺は行くけど夜遅くになったら反対するからな」
「………」
壱星を睨んで、微睡む理波ちゃんに同じことを伝える。
そうすると、眠たい目で「うん」と肯いた。
「お邪魔しました」
廊下に出ると、氷を桶に入れたおばあさんに逢った。
壱星のおばあさんかな?
「あら、お帰りですか?」
「あ、はい。急に押しかけてすみませんでした。姉がまだ治らないみたいなんで……」
「ええ。治るまで養生していって構いませんよ」
「ありがとうございます。お願いします」



