「もう行くのか? でも理波ちゃんが……」
 


言い差した刹那の顔の前に手を出して遮る。



そのまま指は壱星に向いた。



「理波ちゃん、ちゃんと送って来いよ」



「……雅風?」
 


壱星は訝しげに俺を見る。




「俺は帰ってしなきゃいけないことがあるから帰るけど理波ちゃんはまだ万全じゃないから治ったらお前が送って来い昨日もうちまで来たんだろそれぐらい出来るだろ」



「……ふー超棒読み」
 


刹那にくすりと、口元に拳をあてた《刹那笑い》をされた。