「俺本で読んで、最初《逆効果》って読んだ」



「とんだ誤解だな。それで言いふらすなよ?」



「しないよ。にしても。」
 



こうして見ると、結構……



「ふー」
 



刹那に小さく呼ばれた。



と言うか、言われた。





「……わかってますよ」
 



ぶすくれた声だった。


我ながら情けない……。




「はー、帰るわ」
 


がさつに髪を掻き上げて、立ちあがる。