紅くなる女子、からかう男子、泣いている女子。
壱星から影が離れた理波ちゃんは、熱で死ぬってレベルに顔を紅潮させて固まったままだ。
あの壱星の野郎、あろうことかみんなの前でき……………………………ちゅーしやがったんだよ!
「これ以上理波冒涜したら赦さないからな」
壱星は厳しい声音で言い置いて、理波ちゃんの手を引いて歩き出した。
理波ちゃんはされるがままだった。
俺は叫びをあげたまま口を閉じることも出来なかった。
「ふー」
一番に固まっていたのが融けたらしい隣から声をかけられてはっとした。
刹那が行くぞと目で伝えて来る。
俺はそれに従った。



