「雅風、早くやるぞ」 怒り気味な恭輔が取ったのだ。 俺は肯き、作業に取り掛かる。 一歩、踏み出してどうしてか急に思った。 ――生きているのだ。 俺たちは、生き難い世界に、息ているのだ。 その世界で、 俺たちの出し物は、思い出造り、だ。