白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】



「雅風、早くやるぞ」
 



怒り気味な恭輔が取ったのだ。
 


俺は肯き、作業に取り掛かる。
 


一歩、踏み出してどうしてか急に思った。
 



――生きているのだ。
 



俺たちは、生き難い世界に、息ているのだ。
 





その世界で、



 俺たちの出し物は、思い出造り、だ。