白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】



漫画の中のキャラのように、先天的にそういう存在だったわけではない。



俺はわざと自分の道を作って、本来なるであろうはずの自分を歪めた。
 



結果が今の俺だから、失敗したとか後悔はしていない。
 



失敗したとか後悔はしていないだけで、馬鹿だな、とは思う。
 


とんだ馬鹿なガキだ。




「……わざとそうなったのか」



「そうだよ。わざと」
 


自分を本来性から、ひずめた。



「あ。でも今の内緒な。誰にも言ったことないからさ。余計な気ぃ遣わせるのはやだし」
 


無理している、とか思われたら嫌だ。
 


俺は別に無理はしていない。
無茶をしていただけで。





「……理想化された自分、か」