腕を伸ばして仰向いて、深呼吸をしている。 空気が心地いい、か。……嬉しいね。 「刹那、その……」 「うん? 何だ?」 刹那の目が俺に向いた。 「あーっと……刹那は彼氏いるのか?」 「はっ⁉ な、何言ってんだお前は‼ いるわけないだろ!」 「いないのか」 自分の声のトーンが落ちたのがわかった。 「何でいないって聞いて残念そうになるんだ?」 ……心なしか刹那の声が棘があるような……いや臆するな。