白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】



「それはちょっと悪いな。次から遅くなったら俺が行くから――」


「ふー、それは野暮だって」



「あん?」
 


悟り顔の刹那に肩を叩かれた。


何だよ野暮って。


お前のそのしたり顔もなんかむかつくんだが。



「そうかー、理波ちゃんも彼氏いるのかー。理波ちゃんこそいい嫁さんなるよ」



「「………」」
 



かれし? ……枯氏? 人名か? 古風な名前だな。



「頭ン中でボケてんなよー。彼氏! 恋人だよ、ふー」



「鯉人?」



「せつなちゃん!」