「それはちょっと悪いな。次から遅くなったら俺が行くから――」 「ふー、それは野暮だって」 「あん?」 悟り顔の刹那に肩を叩かれた。 何だよ野暮って。 お前のそのしたり顔もなんかむかつくんだが。 「そうかー、理波ちゃんも彼氏いるのかー。理波ちゃんこそいい嫁さんなるよ」 「「………」」 かれし? ……枯氏? 人名か? 古風な名前だな。 「頭ン中でボケてんなよー。彼氏! 恋人だよ、ふー」 「鯉人?」 「せつなちゃん!」