白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】



「そうだよ。ふー、ちゃんと送ってくんだよ」



「わかってる。……あ、理波ちゃんはまさか一人で来たの? 俺迎えに行くって――



「あっ、いやいや、送ってくれたよ。大丈夫一人じゃない」
 


どうしてか、理波ちゃんが急に早口になった。


うん? どうかしたのかな。



「そうなのか? じゃあお礼言わなきゃ。まだいる?」



「ううんううん! もう帰った!」
 



今度はぶんぶん首を横に振る。


……反応がいちいち挙動不審だな。



「そうなん? 同じ学部の人?」



「えっ? おなじ……ではないけど……」
 


今度は目が泳ぎ出した。


……大丈夫か?