「うん? 何か言った?」 「いや、何でも。ふー、理波ちゃん帰って来たし、家にいた方がいいだろう。私は一人でも大丈夫だから」 刹那がやっと俺を見た。 ……この野郎、俺と随分態度が違うじゃねえか。 丸一日以上いらんヤキモキしちまったじゃねえか。 「駄目だ。お前も一応女子っぽい格好してんだから危ない。家は鍵かければいいんだから、送ってく」 刹那は、性格がかなり男らしいと思うんだ。 でも、やっぱり女子なわけで。 夜に一人歩きなんかさせられるか。