「癖になっちゃって抜けないんだよねー」 「理波ちゃんの教えって厳しいからなー」 何だか朗らかな時間だった。 空白になっていた十年が、何事かがあったように隙間がない。 何事もなかったのではない。 毎日の中に刹那がいたみたいだ。 ……変な感覚だ。 でも……何だかいいな。 「ごちそうさまでした。刹那料理上手いな」 「ありがと。でも結構雑なメシでしょ?」 ……いや、雑なのは俺だ。