白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】



「いいのか? ってか椅子が二つ……」



「邪魔になるからな。食べにくかったら隣にするか?」
 


正面向いて食べるのはちょっと嫌かなと思って、正方形の机の空いている一面を示した。



「いや、ここで。お箸とか借りるよ」
 


そのまま正面の椅子に座って、手を合わせた。




「「いただきます」」

 


声が被った。
 



それを聞いて、二人でくすくす笑ってしまった。




「いただきます」と「ごちそうさま」をちゃんと言いなさい、は理波ちゃんの教えだったのだ。



その時に手を合わせるのも。



話すと、刹那もそれを憶えていた。