担任の古雪(こゆき)教師(せんせい)に示されて、琴吹――刹那は、廊下側の一番後ろの席についた。 俺の席は間一列開けて同じ段、一個空いた隣だった。 よし、こういうときは、こうするんだろ、自分。 「初めまして。俺、未渡(みわたり)雅風。俺も刹那って呼んでいい?」 莉音に先んじてしまうのは気が引けたけど、チャンスはどんどん実行していくように決めている。 フラれても。 「……未渡……?」