「篠山さん。 この前話をいただいていた企画書の作成、終わりました」 黒い短めの髪に、黒縁眼鏡。 ワイシャツをパリッと着こなした彼が、あたしに分厚い書類を手渡した。 「ありがとう」 それを手に取り、ページを捲る。 悔しいけど見事だ。 突っ込みどころのないほど。 彼を見ると、眼鏡の奥の瞳が自慢げに輝く。