オレンジの片想い


次の席替えまでの1か月、蒼真は本当にわたしに話しかけてきてくれた。





そのおかげでわたしは蒼真の事をたくさん知って、そのたびにわたしも蒼真に自分の事を話した。





好きな食べ物はから揚げ。外見に合わず意外と甘いものも好きらしい。というのを、わたしがドーナツが好きだと言ったとき教えてくれた。





彼は水泳部でわたしは写真部。





わたしは運動部とは無縁だから知らなかったのだけど、蒼真はプールサイドからよく外で写真を撮ってるわたしに気づいてたんだとか。





趣味はギター。何でもできるんだなと思った。わたしはもちろん写真を撮ること。





その他にもいろんな話をした。今までのわたしからは考えられないくらい沢山。





部活であったことや家であったこと。





昨日見たテレビの話。






最初戸惑いでへたくそな返答しかできなかったけれど、だんだんとわたしの中の何かが解けてって、いつのまにか"男子と何話していいかわかんない"ってのがなくなっていた。





数日しか経っていないのに、わたしたちはバカな言い合いをするくらい仲良くなっていた。