「でも、雪葉はあんま男子としゃべんねぇよな」
...蒼真って絶対観察力優れてるよなあ。
「うん...あんましゃべんないかな」
「でも俺とは話してるじゃん？」
「や、男子とは話せるんだけど、自分から話すこともないし...って」
今だって蒼真が話しかけてくんなきゃ100％しゃべらず1か月過ぎてたし。
「じゃあ、これからは俺が話しかけたら解決だな」
え、と思ってぱっと隣を見た。
....あ。初めてちゃんと目が合った。
「ん？」
「な、なんもない...よろしくお願いします」
「おう、了解！」
君を意識し始めたのはたぶんこの時の笑顔から。心の中に芽生えはじめた想いがなんなのか、はっきりとは形にできなかった。
