修学旅行以来、蒼真がいなくなってしまった後も、わたしたちはずっと仲が良かった。だから陽翔は凄く心配そうな顔をしていた。
「大丈夫だよ。知らない子ばっかりいるなら尚更、友だちできない子の方が少ないし」
「...だよな。俺らが心配したところで今は会えねえし、あいつの問題だもんな」
て、わたしらも同性の友だち作んないといけないんだけどね。
「そういえば高木と咲歩はどうなのかな」
「あ、あのふたり同じクラスらしいぞ。さっき亮からラインきてさ」
「ええっ、そうなんだ!」
ふたりだからもっと確率低いはずなのに....すごいなあ。入学式の後、月菜も一緒に咲歩に会う予定だから、きっとそのときに話してくれるんだろう。
話していると、担任らしき先生が教室に入ってきて、わたしたちに席につくように促した。
あれ、隣の人休み...?
ふと、右側を見ると空席だったことに気がついた。こんな日に休んじゃうなんて。わたしだったら無理してでも来たいって思うな。
と、隣の人を少し哀れんでいると後ろの教室のドアが勢いよく開く。
ああこの音、彼を思い出すな_____....
近づいてくる足音は、どうやらわたしの隣の席の人のものだったらしく。休みじゃなかったんだな。でも入学早々遅刻気味ってのもどうかと思うけど。
どんな人なんだろうと隣をチラリ見た。そのとき、わたしは思わず息を止めてしまった。

