オレンジの片想い



それでわたしの周りの女子は、好きだって言う子が多くて。その恋愛相談に乗る際に「あの人だよ」って教えてもらった。




だから知っていたのだ。




見つめていると、彼が口を開いた。





「でも俺も、雪葉の事知ってた。名前は名字しか知らなかったけどな」





その事に驚きつつ、"雪葉"と呼ばれたことに鼓動が速くなった。





「.....そうなの?なんで?」





「友だち多い子だなって思ってた。色んな子と喋ってる事多かったから」





「そうかなあ...そんな事言ったら、そ...蒼真だって多いじゃん」





わたしの名前を呼んでくれたから、わたしも呼ぼうと思ったけどちょっと震えた。でも頑張ったから良しとしようか。





「たぶん俺は誰とでも喋るからそう見えるだけだよ」





「いいじゃん。フレンドリーで」




その好意的な所に女の子は惹かれるんだしね。




「はは、フレンドリーかあ」




「うん」