オレンジの片想い


そのひとことに、蒼真は少し驚いたようにこちらを見て、わたしの視線の先にあるものを辿って納得したように、口を開いた。




「...ああ」



わたしが見つめる先には、彼の右手、薬指に光るリング。


肯定したその横顔は、幸せに満ち溢れていて。



「ねえ、相手ってもしかして、」


「うん、小夏だよ」



______ああ、ちゃんとふたりは、幸せへ歩いていたんだ。ずっと途切れることなく、今、夫婦になろうとしてる。


...よかった。




「蒼真、おめでとう」


「ありがとう」



もう躊躇いもなく、本当の本当に心からのおめでとうが言えるよ。その幸せそうな笑顔が、何よりうれしかった。小夏ちゃんと蒼真には、ふたりで幸せになってほしいと思っていたから。


大切な、人だから。



ねえ、高校生のわたし。


蒼真は今も、幸せにしているよ。