オレンジの片想い


名前を呼ばれて振り向くと、そこにはわたしの思い出の中で大きく居る人物が、立っていた。




「......蒼真」


「おう。久しぶりだな」



何故だろうか。

泣きそうになった。



突っ立っているわたしの傍へ、蒼真は薄く笑みを浮かべながら歩み寄る。



声が、何年も会っていなかったから、すぐにわからなかった。好きだったときは顔を見なくてもわかるくらい敏感だったのに。そこからも、わたしたちがお互いに変化していることが解る。


わたしたちは、変わった。



蒼真を見上げると、彼からすればわたしは見下げるくらい小さい。



「なんか縮んだか?」


「蒼真が伸びたんでしょ?あんたいつになったらその成長止まるのよ」



久しぶりだなって、思って隣に並ぶたびに大きくなってる気がする。笑いながら言えば、彼もわたしと同じように声に出して笑った。



「蒼真もどうぞ」


「おお、さんきゅ」



わたしはトレーに乗ったグラスを1つ手に取って、彼に渡した。