オレンジの片想い


指をさされた方を見ると、そこにはさっきの咲歩と全く同じ状況に少し戸惑っている高木がいた。でもその横顔は、なんだか嬉しそうで。からかわれるのでさえも幸せを感じているのだろうと思った。


そしてその光景を見つめる咲歩も、彼と全く同じ表情をしていた。



...パパだって。

もうすっかり夫婦だね。



高校生だったあの頃、咲歩が高木に告白されて逃げてそれから、彼女はちゃんと高木に向き合った。


咲歩は、相談に乗ったその次の日に高木と話をしたらしい。その行動の速さにはびっくりしたし、尊敬した。わたしはいつもうじうじ後先のことばかり考えて立ち止まってしまうから。



ちゃんと想いを伝えて、通じ合えて。


今に至るまでに何度も衝突はあったけど、そのたびにお互いを知ってまた愛を深めていく。

そんなふたりに、憧れた。



「咲歩、産まれたらすぐに報告してね」


「私にもしてね!遠くても絶対飛んでいくから」


「当たり前じゃん。ふたりには亮の次、いちばんに連絡するよ」



笑い合ってから、いろんな人に挨拶しに行った。変わってない人も変わった人もいて、久しぶりのみんなに話が弾んだ。


同窓会は立食で、輪から一旦離れ、飲み物を取りに行った。



グラスを持った人に礼を述べて、一口飲んだ時だった。




「雪葉」