そう言うと、咲歩はともかく、月菜までもが目を丸くして驚いた。それを見てわたしが驚く。そんなわたしを見て咲歩は、また一層驚いた顔をした後、呆れたように水を飲んだ。
え、わたし何かまずいこと言った?
そう思って少し焦って、思い返してみるけど、全く何も浮かばない。
眉間にしわを寄せてふたりを見つめると、咲歩は手に持っていたグラスをテーブルの上に置いて、口を開いた。
「前からも何も、木山くんがゆきのこと好きなんて、中学のときから見てて気づいてたわよ」
「え......ちゅ、中学から!?」
そんな前から!?
彼からの好意に気づいたのが高校に入ってからだから、てっきり好きになったのもそれくらいからだと思っていた。それなのに、そのずっと前から陽翔はわたしが好きで、その頃からわたしは蒼真が好きで...わたしが避けていたのは、あまり意味がなかったのか。
わたしの反応を見て、咲歩は苦笑した。
「高校に入ってからは知らないけど、中学の時は結構露骨だったよ。でもゆき気づいてなかったんだね...あんた瀬川くん並みに鈍いよ」
「う...わたしも人のこと言えなかったのか」
「木山くん、高校に入ってからもそんなに変わってないよ。でもまあ、全く気づかないよりは良かったんじゃない?」
月菜がわたしをそうフォローした。月菜も、知ってたんだなあ。
...わたし、ずっと前から傷つけてたのかも。
そう思ってちょっと、胸が痛んだ。

