オレンジの片想い


「雪葉ちゃん、知ってたんだね...」


「うん。ずっと相談受けてたりしたからね」



ふたりとも、お互いに鈍感すぎてこっちが驚いたくらいだったよ。

今こうして小夏ちゃんと、こんな話してることにもびっくりだけどね。こんなにも冷静でいれるなんて、ずっとどうなることかと心配してたことは不必要だったんだな。



するとわたしよりも背の低い小夏ちゃんが、わたしを見上げる。



「そっかあ...じゃあ雪葉ちゃんは恋のキューピッドだね!」



笑顔で、何の冗談っ気もなくそう言うから、思わず目を丸くする。

それから間もなくして、笑いが込み上げた。



「ふ、あはは!キューピッドって!」


「えっ?そ、そうでしょ?」


「ふは、そうかもね」



キューピッド、か。


そうなれてたなら、嬉しいな。ふたりの恋がわたしのおかげで成就できたってことでしょ?それなら嬉しいに決まってる。



「...小夏ちゃん、蒼真に幸せにしてもらってね」


「う、うん?」


「蒼真のこと、幸せにしてやってね」


「うん!」



蒼真が好きになった人が、小夏ちゃんでよかった。



心からそう思いながら、ふたりで学校へと向かった。