オレンジの片想い


もう、体が勝手に蒼真を探しちゃってんだろうか。


友だちと笑いあう、その子供みたいな笑顔にまで、好きだなって。心臓がきゅーってなる。なんか、頬の緩みが止まらなくなっちゃって、口が変な形になった。



にしても、いつ伝えよう。

やっぱり放課後、だよね。誰もいないほうがいい。というかいたら困る。



もうすぐチャイムが鳴ってしまうので、今はまだ蒼真に話さないで、席に着いた。次の休み時間にでも、放課後時間あるか訊こう。



時間ないって言われても告うけどね。


授業はもちろん集中なんてできるはずもなく、終始そわそわして落ち着かなかった。



あと2分、あと1分。

そして授業終わりを知らせるチャイムが鳴り響くと、生徒は一斉にノートやら教科書やらを閉じた。



わたしはまだノートを全て写せていなくて、あわあわと急いで板書していた。早くしなければ、タイミングを逃してしまう。



緊張する場面だからこそ、タイミングって大事で。


何気なく話しかけるときとは全く別物だから、何の変哲もないただの用事なら"放課後時間ある?"なんて普通に訊ける。でも、その内容が大切なものになると変に緊張して、周りからしたら普通のことでも、自分じゃ普通だと思えなくなる。


だからこそ、早くしなきゃならないのに。

授業に集中しないで考え事ばかりしていたら、こんなことに。


焦る気持ちからますますきちんと写せなくなって、さらに焦る。もう、この時間中は無理かなと諦め半分になっていると、視界の端に、誰かの制服が映る。



ふと顔を上げて、わたしは思わず驚いてしまった。




「そ、蒼真...?」