オレンジの片想い


わたしのひとことに、めいっぱい目を見開き驚くひなせちゃん。



そりゃあそうだよね。

だって、いきなり告白するとか。しかも今日とか。急すぎるよね。でも、決めたことだ。



「え....今日?」



想像通りの表情。それにくすりと笑って、こくりと大きく頷く。



「うん。何があっても今日伝える。知っていてほしいんでもないし、好きでいたいのでもない。これはただの、わたしなりのけじめだよ」



どんな結果になっても、後悔はしない。

前に、進むんだ。



蒼真が小夏ちゃんへまた一歩踏み込むのなら、わたしは一歩後退しよう。ひとつ下がったその地点で、リセットするの。


すぐにとは言わないけど、いつか。



「それでいいの、なんて...自分が、いちばんわかってるもんね」



心配、してくれているんだろう。わたしが後悔しないように、傷つかないようにと。でも、口出しはしないと。


そんな優しさが、とてもとても嬉しくて、心強いよ。



「がんばって、ね」


「ありがとう」



ひなせちゃんの手首から手を離すと、彼女はガラリ、と音を立ててドアを開けた。





教室に入って真っ先に目に飛び込んできたのは、蒼真の無邪気な笑顔だった。