思ってもみなかっただろうその単語に、驚いたような表情を浮かべる蒼真。
動揺が目に見えた。
何も言わない蒼真に、わたしはまた言葉を投げ掛ける。
「ずっと思ってたんだよね。いつ、告白するんだろなって」
...なんかわたし、嫌な感じかな?うんざりしたような言葉を選んでしまったと、後から後悔する。でも言ってしまったのだから、とりあえず反省だけしとこう。
黙りこみ、真剣な面持ちで少し考えている様子の蒼真。
少しの間だけ待って、彼は口を開いた。
「...告白、は...考えたことないとか言わねぇけどやっぱり、怖いんだよな。情けないな、俺」
そう言って自嘲気味に、眉を下げて笑う蒼真。
怖いっていう気持ちは、痛いほどわかる。わたしだって、こうやって蒼真の恋愛相談に乗っているのは、関係を崩したくないだけだ。今、蒼真に気持ちを伝えたら、きっと彼はわたしに話しかけるのを遠慮する。
だって、自分のことを好きな人に、恋愛相談までしていたなんて知ったら、たぶん申し訳なさが勝つでしょ?
蒼真は優しい。だから、わたしがいつも通りにしてと言っても、気を遣うと思うんだ。
そんな風になるなら、伝えたいとは思わない。
それは蒼真も、同じなんだろう。
「...情けなくなんかないよ。怖いって思うってことは、それだけ慎重になるくらい本気ってことだもんね」
言葉にして、勝手に傷ついて。
本当に、ふたりが付き合えばわたしは諦められるんだろうか。どうしたら諦められるのかな。
わからない、でもわたしにできるのは、蒼真の背中を押すことだけだ。

