オレンジの片想い


「しかし雪葉、色白いなー」


「蒼真と並べてるからじゃない?」


「それもあるけど、白いよ。俺と並ぶから余計そう見えるしな。夏休みどこも行かなかったのか?」


「普通に遊んでたりもしたよ?」



わたしの夏休み。咲歩の日が合う時は月菜も一緒に3人で遊んだり、ひなせちゃんとも遊んだし、結構楽しんでいたと思う。ただ日影が多かっただけだ。



「あとは...部活とか」


「ああ、運動場撮ってたな」


「え?」



ぱっと顔をあげた。



「プールサイドから見えてた。雪葉いるなって」



蒼真は、笑った。その笑顔を見て、再度下を向いた。



...違う。蒼真はわたしを好きなんかじゃないの。ただプールサイドからわたしが見えただけ。勘違いしちゃだめだ。だって夏休み中にやり取りした数えられるくらいの連絡の中で、小夏ちゃんの話題が出たことだってあったんだから、まだ彼女を想っている。

なのに。わたしを好きじゃないって言って押し殺そうとしても。



...嬉しい。



「そ....っか」


「おう」



見ているのはわたしだけだって思っていた。


だから話せなかった間でも、ほんのちょっとだとしても彼の視界に映っていられてたことが、こんなにも嬉しい。



嬉しさをかみしめていると先生が来て、手が離れた。