蒼真の口から出た、"友だちあという言葉に、どこかほっとしてしまう自分。
「....っと、結構時間過ぎてきたな。そろそろやるか」
「おお、本当だ....時間なくなる」
気がつけば放課後に突入してから40分近く経過しようとしている。こんなにも時間を無駄にしていたなんて。
「じゃあ、俺らあっちでやるから」
「うん。.....蒼真、明日聞くからね」
にやりと、口角を上げて蒼真を見た。すぐになんのことか理解したようで、わたしを睨んで
「っ、....だ、だまれ!」
そう言った。頬を赤らめているせいで威力激減。逃げるように背中を向けた彼に、くすりと笑った。
安心しろ、蒼真。小夏ちゃんはなんのことだかわかってないさ。
彼らはわたしたちから少し離れた、反対側の席に座った。
陽翔は彼ら背中を向けていて見えない。だけどわたしからは丸見えで。それも、小夏ちゃんは後ろ姿だけど、蒼真の顔が見えるのだ。
また、愛しそうに、小夏ちゃんに向けられる視線。
陽翔にバレないよう、溜息を吐く。
机上に乗せた数学のワークを見つめて、陽翔
の奥にある景色を出来るだけ視界にいれないように、顔をあげた。
「さ、やろっか」
ワークのページを捲っていく。だけど、陽翔の手は動かない。
「陽翔?」
「....なあ、お前さ」
目と目が合う。視線が、繋がる。
「蒼真のこと、好きだろ?」

