オレンジの片想い


「.....なんだよ、見んな」




小声でそう言う蒼真。




だって、こんなノートの端に小さな文字で"Thank you!"なんて書かれた付箋が貼られていたんだもの。




「.....なんで英語?」




「え.....なんか、照れたから?」



目をそらして、最後に疑問符つけて。




「意外と素直じゃないんだね」



「.....うっせー」



そんな赤くなった顔なんて見慣れないし似合わないよ。だけど、かわいいとか思ってしまった。



「じゃあ瀬川、ここの英文読んでくれ」



「あ、はい」



英語教諭が蒼真を指名したから、立ち上がって英文を読む彼。たどたどしい言葉を聞きながら、わたしは教科書で顔を隠してた。




.....どうしてくれんのさ。頬が緩んで直らなくなっちゃたじゃないか。




それと、心臓の辺りがじわじわして熱い。




「瀬川...お前、ちゃんと単語覚えろよ...?和訳は完璧なのにどうしたんだ」




「あー...っと、単語は見た感じで日本語と結びつけてるんすよ」




「それ読めなかったら意味ないぞ」