───誰もが、幸せになれると思っていた。 始めは、幸せになれなくたって。 魔法使いが、魔法で幸せにしてくれるって、信じていた。 そう、信じていた。 だけど、どれだけ待っても“幸せ”なんて、ものはこなかった。 待ち続けて、待ち続けて……。 いつしか、魔法は、幸せは来るっと、信じ込ませていた。 だけど、ある日。 知った。 ……幸せなんてものは来ない、と。 来ないのなら……作ればいい。 偽りの幸せを、作ればいい……と。