少年陰陽師 奥州平泉奇譚

放課後。


僕は1度、寮に戻り戸隠の家から託された五色の摩尼「木火土金水」を風呂敷に包み、潤たちと共に出かけた。



樹齢3百年を数える杉木立に覆われた薄暗い道は、何かが出てきてきそうで……。



僕は三節棍「鈴音」をぎゅっと強く握りしめる。




毛越寺(もうつうじ)に向かう途中、怪異のことや五色の摩尼のことなどを大まかに話しながら進む。




毛越寺は藤原氏の時代。


平泉の南玄関口に位置し、平泉入りした源頼朝は、その荘厳さを、「我朝無双」と称したという。




藤原基衡が、建立した伽藍は嘉禄2年(1226年)焼失し、現在は礎石が往時を偲ばせるのみになっている。




僕は、大泉が池に復元された庭園の遣水に水の力を宿す青の摩尼を納めた。