僕は、雨宮祐──高校2年生。

八雲とは表向きには、腹違いの兄弟ってことになっている。


雨宮家は、平安時代から代々続いてる陰陽師家。

元は安倍晴明の系譜で京都に住んでいたらしい。


でも、何代目かの当主が変わり者で。

ある年。
思い立ち、天岩戸伝説で有名な長野県北部戸隠山の麓に移り住んで数百年。

全国各地からの怪異調査やお祓いの仕事を請け負い、暮らしている。


八雲は、まだ見習い陰陽師で調伏もまともにできない落ちこぼれ陰陽師だ。


僕は──。
赤ん坊の時、雨宮家の前に捨てられていたのを祖父が拾って育ててくれたんだ。