少年陰陽師 奥州平泉奇譚

杉木立ちが途切れた先に、東物見(ひがしものみ=展望台)があり眼下に光る、一筋の光「衣川(ころもがわ)」。




参道を登りきると、そこには国宝建造物第1号の金色堂が佇んでいた。



藤原清衡が21年の歳月を費やし、完成した壮大精緻な至宝。




「五月雨の降り残してや光堂」


俳聖、松尾芭蕉の歌に詠み込まれた荘厳な輝きに言葉もなく、ただ溜め息がもれた。





「清衡(きよひら)の生きていた頃には、『大池に龍頭鷁首(りゅうとうけいしゅ)の舟が浮かべられいた』って。


信仰心厚い時代だったんだ。


二代基衡(もとひら)は毛越寺、三代秀衡(ひでひら)は無量光院を建立したんだけど、山火事で無量光院は灰になったんだ。

源義経襲撃の舞台になった衣川館(ころもがわのやかた)も、今は残っていない」



潤が淡々と話した。