少年陰陽師 奥州平泉奇譚

半分は人であることも、正体がばれるかもしれないことも忘れて―――。




ただ自分の身を守り、消耗した気を補い相手を動けなくすることしか頭になかった。





敵の目に驚きを通り越し、恐怖の色が浮かび始めたことにさえ気付かずに。




1人目を失神させ、2人目の首筋に指を押しあてた。




相手が顔色を失い痙攣し始めて尚、僕は正気を失ったまま修羅の如く、指先から精気を補い、2人目を失神させてた。



3人目が怯え腰を抜かし、物も言えず震えあがり動けずにいるのを見て、やっと我に戻った。





自分のしたことを認められず、体が震え気が遠くなりそうになる。




呼吸が乱れ、吐き気が僕を襲い涙が溢れた。




「祐!」


八雲の呼ぶ声。




駆けてくる足音にポロポロと涙が頬を伝う。