少年陰陽師 奥州平泉奇譚

強風と共にお兄さん達は吹き飛ばされ、尻餅をついたり前倒しに、顔から地面に突っ込んだり、あっと言う間に傷だらけになった。



乱闘開始、ものの10分弱。


エッへン!


お兄さん達は、「っきしょう!!ガキが……!!」と言ったかどうかは定かではないが、ボソッと呟いて、すごい顔で僕を睨み返した。



「ヘン!いくぜ、祐」


全てを見ていただけの八雲。


平然と何事も無かったような顔で、正門の石柱を飛び下りた。


僕は竹刀袋の中身、鈴音を支えに漸々立ち上がり、八雲に向かって情けない声をあげた。



「……八雲、目眩がする」