陰陽師の式神の役割は本来、



主の命令に従い、怪異を鎮め祓う補佐を行うこと並びに主を守ることだ。


でも見習いで調伏しかできない落ちこぼれの八雲には、


情報収集も気の乱れを詠み行動することも、まず難しい。



それに八雲は、

文献の類いを理解できるほどの読解力もないし根気もない。



八雲の式神を勤める僕の力は龍神と人、双方の血を引いているため、生まれながらに身に宿る本能のようなものだ。


情報量の多さも技や術も、戸隠の父さんや祖父と同格と言っても決して過言ではない。



僕は、八雲の補佐をし指南役としても草としても動かなきゃならない。


超多忙な式神なんだ。


あ~あ──勘弁してよ。