1時間目を保健室で過ごし、1人教室へ向かって自己紹介した僕。


「人は見かけによらないって言うけど……あいつら相手に、たった10分って。スゴいぜ!!」

いきなり声をかけられ、呆然とする僕に八雲がニッコリ笑う。


どうせ調子こいて、ペラペラ武勇伝を自慢したんだろうなと僕は小さくため息をつく。


「有川潤、よろしく」

隣の席、真面目を絵に描いた感じの学生が声をかけてきた。


潤の穏やかさは喧騒の中、すごく心が癒される気がした。