「お姉ちゃーん」 苛立ちを隠せないまま、足音を踏み鳴らせて学校へと向かう私を妹の声が引きとめた。 「春陽(ハルヒ)」 立ち止まった私に、春陽が追いつく。 春陽が隣に並ぶと、私は再び歩き出した。 春陽も遅れないように、私の隣を並んで歩く。 「お姉ちゃん、また今朝も派手にケンカしてたね」 春陽が私の顔を覗き込みながらくすくすと笑う。 「うるさいわね。あんたには関係ないでしょ」 私が横目で睨むと、春陽はおどけた顔で肩を竦めた。