「俺は、......ヒーローになるためだ」



......へ?
当然のことのように言うブレットの言葉は、今度こそ冗談ではなさそう。

千明の時と同じく、またもや想像とは違う答えが返ってきて、どう反応をしたらいいのか分からなくなる。

まさかブレットも千明と同類なの?


いや千明の戦う理由に比べたら、まだまともかもしれないけど......。

ヒーローって、そんなにいいもの?

子供たちとっては憧れかもしれないけど、実際に命をかけてまでなりたいもの?


この人たちの言うこと、どこまで本気で捉えたらいいのか分からない。



「美しい女性限定のヒーローじゃないよね?」


「それは、アキじゃないのか?」



そう言ってニヤリと笑ったブレットに続いて、私も思わず笑ってしまう。

戦いの後で、こんな状況だというのに、暗い闇の中で私たちは笑い合った。



何を信じていいのか、誰を信じていいのか、やっぱり分からないけど。

強くならなきゃ、自分で自分の未来を切り拓くために。


それから......、もっと彼のことを知りたい。

なぜだか分からないけど、確かに私はこの時、そう感じたんだ。