銅と銀を加えるとイエローゴールド。
 銅が多めで、銀が少なめだとレッドゴールド。
 これにパラジウムを足すと、ピンクゴールド。

「じゃあ、よく聞くホワイトゴールドって? 見た目は完全にプラチナなのに、なんでゴールドって名乗ってるんですか? 経歴詐称?」

 疑問を素直に口にしたら、晃さんが笑いながら答えてくれた。

「あれは金にパラジウムや銀なんかの白色金属を混ぜているんですよ」
「それであんなにプラチナそっくりな色に変わっちゃうんですか?」
「いえ。それだけではどうしても無理があるので、ロジウムをメッキしているんです」

 もともとホワイトゴールドは、金よりも人気があって高価だったプラチナに変わる金属として開発されたもの。
 だから見た目がプラチナそっくりでなければ意味がない。
 それでロジウムをメッキして、見た目を整えている。


「でもね、最近は金の価格がすごく上昇しているでしょ? 価格差のメリットは薄れているんです。だから金の配合を抑えた10金のホワイトゴールドも出てきているんですよ」
「それなら手に入れやすいアクセサリーも増えますね」
「大事なのは、ホワイトゴールドはメッキをしているという事実を理解することです」

 そっか。それを知らずに買って、いつか変色したり剥がれたりしたらショックだな。
 でもまたコーティングし直せば元通りになるんだもんね。