なかなか寝付けない夜を過ごし、ついに迎えた翌日の朝。
まっさきに目の下のクマをチェックし、細心の注意を払って髪を巻き、しっかりキープしてから自宅を出た。
そして職場の控え室で、バッグから取り出したスマホを凝視しながら、しばらく硬直する私……。
いつまでもこうしていても、無駄に時間が過ぎるだけだ。さあ、いけ! 頑張れ!
スマホからコール音が聞こえるたび、私の鼓動が加速して、手に汗が滲む。
『はい。近藤です』
その声が耳に響いた瞬間、頭が真っ白になって、なにを言えばいいのかわからなくなった。
「あ、あの、私です。槙原聡美です」
『聡美さん! お加減はどうですか!?』
「はい、まったく無事です。ぜんぜん大丈夫です」
『そうですか! あぁ、よかった! 安心しました!』
ホッと息を吐く気配がスマホの向こうから伝わってくる。
きっとまた、あの爽やかな笑顔になっているんだろうなと思ったら、こっちも思わず笑顔になって少しだけ緊張が和らいだ。
『それじゃ、今日の食事はだいじょうぶかな?』
「はい。だいじょうぶです」
『よかった。俺、すごく楽しみです』
ドキン、と胸が鳴った。
彼のなに気ないひと言が、私の心を弾ませる。
『私もすごく楽しみです』って言いたいけれど、そんなこと、とても言えない……!
時間と場所を約束して電話を切ったときには、慣れないことをした疲労感でグッタリしてしまった。
でも心が浮き立つような、ピーンと張りがでるような不思議な感じがする。
仕事が終わるまで、ずっとそんな興奮と緊張の混ぜこぜになった気持ちで過ごしていた。
そして……ついに本日のお仕事終了!
と同時に私は従業員控え室に飛び込んだ。
まっさきに目の下のクマをチェックし、細心の注意を払って髪を巻き、しっかりキープしてから自宅を出た。
そして職場の控え室で、バッグから取り出したスマホを凝視しながら、しばらく硬直する私……。
いつまでもこうしていても、無駄に時間が過ぎるだけだ。さあ、いけ! 頑張れ!
スマホからコール音が聞こえるたび、私の鼓動が加速して、手に汗が滲む。
『はい。近藤です』
その声が耳に響いた瞬間、頭が真っ白になって、なにを言えばいいのかわからなくなった。
「あ、あの、私です。槙原聡美です」
『聡美さん! お加減はどうですか!?』
「はい、まったく無事です。ぜんぜん大丈夫です」
『そうですか! あぁ、よかった! 安心しました!』
ホッと息を吐く気配がスマホの向こうから伝わってくる。
きっとまた、あの爽やかな笑顔になっているんだろうなと思ったら、こっちも思わず笑顔になって少しだけ緊張が和らいだ。
『それじゃ、今日の食事はだいじょうぶかな?』
「はい。だいじょうぶです」
『よかった。俺、すごく楽しみです』
ドキン、と胸が鳴った。
彼のなに気ないひと言が、私の心を弾ませる。
『私もすごく楽しみです』って言いたいけれど、そんなこと、とても言えない……!
時間と場所を約束して電話を切ったときには、慣れないことをした疲労感でグッタリしてしまった。
でも心が浮き立つような、ピーンと張りがでるような不思議な感じがする。
仕事が終わるまで、ずっとそんな興奮と緊張の混ぜこぜになった気持ちで過ごしていた。
そして……ついに本日のお仕事終了!
と同時に私は従業員控え室に飛び込んだ。



