私の声も耳に入らないほど真剣な表情で、晃さんは謝り続けた。
「割れてしまったらもう取り返しがつかないので、慌ててしまって……」
「割れるって、私の頭がですか?」
「いえ、エメラルドがです。……あ、いや! 聡美さんの頭なら割れてもいいという意味じゃないですよ!?」
「はあ……」
「ただ弁償ということになれば、あのエメラルドは高価そうでしたから」
たしかに、あのエメラルドは値打ち物だと思う。
大きさも、色味の深さも、透明度もあった。
「ちなみに、お幾らぐらいでしょうね?」
「うーん。推定ですけど二百万は下らないかと」
「ひえっ!?」
二百万!? そ、そんな金額弁償できない!
エメラルドって高品質なものだと、そんなに高いんだ!
「値段もそうですけど、宝石は世界でひとつですから。同じものを買って弁償というわけにはいかない」
「そ、そうですよね」
「だから紛失や破損してしまうと大変なんです」
申し訳なさそうな晃さんに対して、私は首をブンブン横に振って恐縮した。
いえいえいえ! 逆に突き飛ばしていただいて助かりました!
「エメラルドは傷がとても多いんです。だからオイルや樹脂に浸して改善処理をするんです」
「え? そうなんですか?」
「普通に出回ってる品は、まずぜんぶが処理済品だと思って間違いないでしょう。処理無しでも美しい状態の大きなエメラルドだと値段が跳ね上がります」
「どれくらいですか?」
「ざっと数千万」
「嘘!? 絶対に手が出ない!」
「ですから、普通は人工処理をするんです。でも超音波洗浄するとオイルが抜けてしまうんですよ」
「割れてしまったらもう取り返しがつかないので、慌ててしまって……」
「割れるって、私の頭がですか?」
「いえ、エメラルドがです。……あ、いや! 聡美さんの頭なら割れてもいいという意味じゃないですよ!?」
「はあ……」
「ただ弁償ということになれば、あのエメラルドは高価そうでしたから」
たしかに、あのエメラルドは値打ち物だと思う。
大きさも、色味の深さも、透明度もあった。
「ちなみに、お幾らぐらいでしょうね?」
「うーん。推定ですけど二百万は下らないかと」
「ひえっ!?」
二百万!? そ、そんな金額弁償できない!
エメラルドって高品質なものだと、そんなに高いんだ!
「値段もそうですけど、宝石は世界でひとつですから。同じものを買って弁償というわけにはいかない」
「そ、そうですよね」
「だから紛失や破損してしまうと大変なんです」
申し訳なさそうな晃さんに対して、私は首をブンブン横に振って恐縮した。
いえいえいえ! 逆に突き飛ばしていただいて助かりました!
「エメラルドは傷がとても多いんです。だからオイルや樹脂に浸して改善処理をするんです」
「え? そうなんですか?」
「普通に出回ってる品は、まずぜんぶが処理済品だと思って間違いないでしょう。処理無しでも美しい状態の大きなエメラルドだと値段が跳ね上がります」
「どれくらいですか?」
「ざっと数千万」
「嘘!? 絶対に手が出ない!」
「ですから、普通は人工処理をするんです。でも超音波洗浄するとオイルが抜けてしまうんですよ」



