「ねえ、聡美ちゃん。この店ってさ、ほーんと古臭い内装だよね。なんか幽霊出そうで怖くない?」
せっかくの幸福感に水を差す声が後方から聞こえて、私の頬がピクッと引きつった。
この声の主は中川詩織(なかがわしおり)ちゃん。
彼女は私と同い年の新入社員。つまり同期の同僚だ。
振り返ると彼女は、ハンドモップ片手に薄気味悪そうな目で店内を見回してる。
その目つきにムッとしたけれど、私は顔に出さずに受け答えした。
「そうかな? まあ、実際に老舗だしね」
「私に店を改装させてくれたら、めっちゃオシャレになる自信あるんだけどなー。そしたらもっと若い層に人気出ること間違いなしだよ!」
顔周りのレイヤーが華やかなミディアムボブを揺らしながら、彼女は明るく笑った。
大きな目を更に大きく強調するためマスカラに飾られた両目が、印象的な三日月形になる。
初出勤の顔合わせで、初めて詩織ちゃんに挨拶した時、私にはピンときたんだ。
この子、自分の魅力に多大な自信を持ってるタイプだなって。
そういうことに関して女の勘は鋭くて、ほぼ確実に的中する。
というか、本人が隠すことなく自信を周囲にダダ漏れさせてるいるわけだから、当たって当然なんだけど。
せっかくの幸福感に水を差す声が後方から聞こえて、私の頬がピクッと引きつった。
この声の主は中川詩織(なかがわしおり)ちゃん。
彼女は私と同い年の新入社員。つまり同期の同僚だ。
振り返ると彼女は、ハンドモップ片手に薄気味悪そうな目で店内を見回してる。
その目つきにムッとしたけれど、私は顔に出さずに受け答えした。
「そうかな? まあ、実際に老舗だしね」
「私に店を改装させてくれたら、めっちゃオシャレになる自信あるんだけどなー。そしたらもっと若い層に人気出ること間違いなしだよ!」
顔周りのレイヤーが華やかなミディアムボブを揺らしながら、彼女は明るく笑った。
大きな目を更に大きく強調するためマスカラに飾られた両目が、印象的な三日月形になる。
初出勤の顔合わせで、初めて詩織ちゃんに挨拶した時、私にはピンときたんだ。
この子、自分の魅力に多大な自信を持ってるタイプだなって。
そういうことに関して女の勘は鋭くて、ほぼ確実に的中する。
というか、本人が隠すことなく自信を周囲にダダ漏れさせてるいるわけだから、当たって当然なんだけど。



