そうよ。そうすりゃいいじゃないの。
そうすればお嫁さんの希望も叶うし、あんたの見栄も満足するんだから。
まぁ、お金持ちの家みたいだから体裁やら何やらもあるんだろうけど、お嫁さんが欲しいと思うエンゲージリングがあるなら、それを我慢させるのも可哀想。
エンゲージリングは女性の夢だ。大きさとか値段よりも大事なものがある。
このお嫁さんは、自分が決めた指輪を、自分が決めた男から贈ってもらいたいんだ。
だから、そうやって折り合いをつけてあげるのはどうだろう?
すると、口をポカンと開けて私を見ていた和クンが、口元を歪めてハッと笑った。
「なるほどね、そういうことか。そうやって、何個も高額な指輪を売りつけようって魂胆なんだな」
「な……!?」
「すげーな、あんたのところの宝石鑑定士って! そんなぼったくりバーみたいな商法も指導するんだねえ!」
自分の表情が一瞬で岩のように硬直したのがわかった。
私は息を詰め、瞬きも忘れて、目の前のこの嫌らしい男の顔を凝視した。
「でも残念でした。 オレ、そういうのに引っ掛かるほどおマヌケさんじゃないんだ。母さん、萌香。オレこの店で買うのヤメるわ。品性がないよ、この店は」
あ……あんたに品性云々言われたくない!
私はプルプル震える手を必死で押さえ、歯をギリギリ音がするほど噛みしめた。
そうでもしなきゃ本気でこの男を怒鳴りつけてしまいそうだった。
買うのをやめるんなら、やめればいい! こっちこそ願い下げよ!
人生で一番幸せなはずのお嫁さんが、ガッカリしながらエンゲージリングを手にする姿なんて見たくもない。
そんなダイヤモンドを売ってしまったら、もう一生晃さんに顔向けできないもの!
そうすればお嫁さんの希望も叶うし、あんたの見栄も満足するんだから。
まぁ、お金持ちの家みたいだから体裁やら何やらもあるんだろうけど、お嫁さんが欲しいと思うエンゲージリングがあるなら、それを我慢させるのも可哀想。
エンゲージリングは女性の夢だ。大きさとか値段よりも大事なものがある。
このお嫁さんは、自分が決めた指輪を、自分が決めた男から贈ってもらいたいんだ。
だから、そうやって折り合いをつけてあげるのはどうだろう?
すると、口をポカンと開けて私を見ていた和クンが、口元を歪めてハッと笑った。
「なるほどね、そういうことか。そうやって、何個も高額な指輪を売りつけようって魂胆なんだな」
「な……!?」
「すげーな、あんたのところの宝石鑑定士って! そんなぼったくりバーみたいな商法も指導するんだねえ!」
自分の表情が一瞬で岩のように硬直したのがわかった。
私は息を詰め、瞬きも忘れて、目の前のこの嫌らしい男の顔を凝視した。
「でも残念でした。 オレ、そういうのに引っ掛かるほどおマヌケさんじゃないんだ。母さん、萌香。オレこの店で買うのヤメるわ。品性がないよ、この店は」
あ……あんたに品性云々言われたくない!
私はプルプル震える手を必死で押さえ、歯をギリギリ音がするほど噛みしめた。
そうでもしなきゃ本気でこの男を怒鳴りつけてしまいそうだった。
買うのをやめるんなら、やめればいい! こっちこそ願い下げよ!
人生で一番幸せなはずのお嫁さんが、ガッカリしながらエンゲージリングを手にする姿なんて見たくもない。
そんなダイヤモンドを売ってしまったら、もう一生晃さんに顔向けできないもの!



