その器具を使ってカットの優れたダイヤを上から見ると、8本のアロー・マーク(弓矢の模様)が見える。
下から見れば8個のハート・マーク(ハート模様)が見える。
ハートを射止める矢なんて、とてもロマンチックで縁起が良い。
「だからこのマークが見られるダイヤモンドは『ハート&キューピッド』という名称で、エンゲージリングとして人気が高まっているんだよ」
「はあぁー。ダイヤモンドの評価って、たくさんの要素があるんですね。覚えられるかなー」
詩織ちゃんが、なんだかゲンナリしたような声でそう言った。
めずらしくその自信なさげな様子に、晃さんが笑ってフォローを入れる。
「大丈夫だよ。ちゃんと覚えられるから」
「えっと、じゃあ、4Cぜーんぶが最高評価のヤツが、一番良いダイヤモンドなんですねー?」
「そんな凄いダイヤにお目にかかるのは奇跡みたいなものだけどね。そうなったら価値も値段も化け物クラスだよ」
ダイヤの価値は、全ての要素が複雑に絡み合って生まれるもの。
カラットだけが最高に大きくても、クラリティが低くて傷が多ければ輝きは鈍るし。
カラーが最高に透明でも、カットが下手くそだったらやはり輝かない。
「4Cのバランスが大事なんだ」
「だったら、買うときはどう決めればいいんですかー?」
「自分の目で輝きを見て、自分が納得して購入する。それが唯一最良だと思う」
「ふうん。最終的には、そこに行き着くってことですかー」
「そうだね。だいたい基本的な部分は説明したけど、他になにか質問はありませんか? 聡美さん」
ギクッと体が動いた。
つい、集中して講習を聞いてたから不意打ちを食らった。
条件反射で顔を上げてしまい、晃さんの顔を真っ直ぐに見ると、彼は真剣な目で私を見つめている。
下から見れば8個のハート・マーク(ハート模様)が見える。
ハートを射止める矢なんて、とてもロマンチックで縁起が良い。
「だからこのマークが見られるダイヤモンドは『ハート&キューピッド』という名称で、エンゲージリングとして人気が高まっているんだよ」
「はあぁー。ダイヤモンドの評価って、たくさんの要素があるんですね。覚えられるかなー」
詩織ちゃんが、なんだかゲンナリしたような声でそう言った。
めずらしくその自信なさげな様子に、晃さんが笑ってフォローを入れる。
「大丈夫だよ。ちゃんと覚えられるから」
「えっと、じゃあ、4Cぜーんぶが最高評価のヤツが、一番良いダイヤモンドなんですねー?」
「そんな凄いダイヤにお目にかかるのは奇跡みたいなものだけどね。そうなったら価値も値段も化け物クラスだよ」
ダイヤの価値は、全ての要素が複雑に絡み合って生まれるもの。
カラットだけが最高に大きくても、クラリティが低くて傷が多ければ輝きは鈍るし。
カラーが最高に透明でも、カットが下手くそだったらやはり輝かない。
「4Cのバランスが大事なんだ」
「だったら、買うときはどう決めればいいんですかー?」
「自分の目で輝きを見て、自分が納得して購入する。それが唯一最良だと思う」
「ふうん。最終的には、そこに行き着くってことですかー」
「そうだね。だいたい基本的な部分は説明したけど、他になにか質問はありませんか? 聡美さん」
ギクッと体が動いた。
つい、集中して講習を聞いてたから不意打ちを食らった。
条件反射で顔を上げてしまい、晃さんの顔を真っ直ぐに見ると、彼は真剣な目で私を見つめている。



