天然ダイヤとイミテーション・ビューティー ～宝石王子とあたしの秘密～

「ラウンドブリリアントカットから生まれる輝きには、３つの要素がある」

　ダイヤモンド内部に取り込まれた光が、何度も反射する輝き。
　光が反射を繰り返している間に生まれる、虹色効果の輝き。
　ダイヤモンドを動かすと、動きに合わせてキラキラとスパークする輝き。
　この輝きのすべてを完璧に得るためには、ダイヤモンドが理想的な『プロポーション』にカットされていなければならない。
　トルコウスキープロポーションという、理想とされるモデル基準を元に、いかにそれに近い形状でカットされているかがポイントだ。
　そして、対称性をはかる『シンメトリー』と、完全平面に近い研磨の良し悪しをはかる『ポリッシュ』も、判定に欠かせない要素。


『プロポーション』、『シンメトリー』、『ポリッシュ』。
　これらの出来栄えを総合的に見て、カットの判定がなされる。

　判定基準は上から『Excellent』エクセレント。
　次に『Very Good』ベリーグッド。
　『Good』グッド。
　『Fair』フェアー。
　『Poor』プアー。


「『プロポーション』、『シンメトリー』、『ポリッシュ』の三つともエクセレントを獲得したダイヤは、トリプルエクセレントと呼ぶんだ」
「とりぷるえくせれんと?　なんか、カッコイイですねー!」
「それと、『プロポーション』と『シンメトリー』が優れているダイヤモンドには、アロー・マークとハート・マークが見られるんだよ」
「なんですか？　それって」
「カットを判断する特殊な器具を使わないと見ることができないマークなんだ」