「今の銃声、何だったんだろ...」 不意に、翔子が問い掛けた。 「さぁ...。でも、始まりの合図ってことだね。」 私は無言で、自分の腕時計と、壁に掛かった時計を指差した。 「とまっ...てる...?」 コクリと返事をすると、ある大事な事を思い出した。 「そうだ。放送の人、鬼の事を"人"と言ってたね。 やっぱり、足音とかあるのかな...」 「そうだね...あるんじゃない?」 それを聞き終わらないうちに、 机から顔半分だけ出し、廊下に目をやった。