ひとまず、落ち着かなければ。 そう思った俺は、進路指導室を飛び出すと。 「…あ、えと。やっほー、先生。」 なんて、ぎこちなく笑う村井が壁に寄りかかり体育座りをしていた。 「……ケータイ、忘れちゃって。 取りに来たら、なんか中から先生の声が聞こえちゃって。」 盗み聞きするつもりはなかったんだよ!と言う村井もまた。 俺と同じで真っ赤な顔をしていた。